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2016年5月

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燃費の問題

今日の新潟県央地区は、非常に良い天気で、気温も30℃近くまで上がったようですね。 まだ、5月なんですけどネェ。 晩には雨が降るような予報になっていますけど、中途半端に降ってムシムシした夜になるのではないかと心配です(涙)

 

 

 

今回は自動車の燃費に関して

 

 

三菱自動車の燃費不正問題が結構話題になっておりますが、軽減税率などの問題も絡み、さらに過去の不正 もあぶり出され、大きな問題となるのは避けられないようですね。

皆さん、今回の問題があるまで、自動車の燃費はどのように計測されているのか知らなかった人も多いかと 思いますし、未だにNEWSで聞いても良く分らないという方もいられるかと思います。

 

燃費の測定方法は現在、「JC08モード(ジェーシーゼロハチモード)」が使用されています。
1973年以前は60km/hの速度で定速走行を行った数値を公開していましたが、実仕様との乖離があまりにも大 きく、以降は10の市街地走行パターンを想定した「10モード燃費」が採用されました。

 

さらに1991年には郊外での15の走行パターンを追加した「10・15モード燃費」となり、その後20年ほど使わ れていました。

 

「JC08モード」は2011年から採用され、変化した車事情に合わせた測定方法に改められています。 実際の数値的には10・15モードの燃費よりも、同じ車で約1割ほど数値的に低くなり、より実際の使用環境に 近いと言われております。

 

 

 

燃費を実際に計測する際は、テストコースなどを実走行するわけではなく、シャシダイナモという機械の上 で08モードの基準に合わせて計測されます。 実際に路面を走るわけではありませんので、実際の走行とは条件をあわせるために補正が加えられます。

 

 

今回、三菱が不正を行ったのが、そのうちの一つ「走行抵抗値」です。

走行抵抗値というのは、実際に走行した際に受ける、「空気抵抗」や「タイヤと路面との摩擦」を合わせた値です。

簡単に言うと、ある一定の速度から速度までの減速時間を測って算出します。

走行抵抗値を小さくすれば、その分算出時に補正される量が少なくなるので、結果、燃費は良い方向に振れるわけです。

 

 

走行抵抗値の他には、慣性重量(IW・イナーシャウエイト)の調整を行います。

ダイナモ上では実際には車両自身は動かない関係で慣性が発生しないので、その分の補正を行うわけです。 重い車ほど加速しにくく、止まりにくいというのは皆さん感覚で分りますよね。 それを補正するんです。

 

どうやって補正するかというと、ダイナモのローラーにフライホイール(オモリ)を取り付けます。 回転部分(ローラー)の重さを車両重量に合わせて、実際の走行状態に近づけるわけです。

 

しかし、このオモリの重さが、110kg~130kg刻みのため、要らぬ努力が必要となります。

 

例えばプリウス。

40.8km/Lも走るいわずと知れたエコカーですが、プリウスの車両重量は一番軽いEグレードで1,310kg、一番重いAプレミアムツーリングセレクションで1,390kgです。

ちなみにプリウスで40.8km/Lのカタログ燃費を表示できるのはEグレードのみ。

その他は37.2km/L。

この差はどこから生まれてくるかというと、計測時の重量区分の違いだけです。

Eグレードは1,196kg~1,310kgの区分で、その他は1,311kg~1,420kgとなり、使用するIW値はそれぞれ1,360kgと1,470kgとなり実際の重量差以上の補正をかけられてしまうわけです。

 

Eグレードと言うのは、一番下位のグレードで、何にも付いていないグレードです。

まぁ、普通の人は買いません(笑)

なので、本来プリウスの燃費は37.2km/Lと表示すべきではと思うのですが、燃費リーダーという看板しょってるので、そういうわけには行かないんですよね。

 

そこでトヨタ様はどうしたかというと、燃料タンクの容量を小さくし、聞くところによるとウインドウォッシャー液のタンクも特別仕様の小型にし、何とか1,310kg内に収たEグレードをつくり、重量区分を一つ軽いところに持って行き、40.8km/Lの燃費を達成したのです。

もし、Eグレードの車両重量が1,311kgまでしか軽量化できなかったとしたら、プリウスの燃費(JC08)は37.2km/Lにしかならなかったのです。

たかが1kgの違いでここまで変わるんですよ。

 

つまりは、このプリウスのEグレードは、対JC08燃費対策専用グレードで、積極的に売ろうなんて気はさらさらありません。 でも、イメージって怖いもので、プリウスに乗ってらっしゃる皆さんは、このEグレードの燃費を見て、重たい上級グレードを買うんですよね。

俺のプリウスは40.8km/L走るんだぜ!ってね。

 

 

 

変速機に関しても、この様な対策が行われます。

AT車はドライブモードでの計測になりますので、機械的な調整ではなく、電気的な調整となりますが、MT車は計測時のギアも指定されていますので、JC08に一番具合のいいギアが選ばれることがあります。 その結果、燃費計測ではいい値が出ても、実使用で使い勝手の悪い、燃費の悪い車が出来上がってしまうわけです。

 

 

タイヤも然り。

燃費のいいタイヤというのは、つまりは走行抵抗の小さいタイヤということですので、裏を返せば止まらないタイヤと言うことも出来ます。 なので、ギリギリ安全に目をつぶれる程度に、走行抵抗の小さいタイヤをメーカーは採用します。

実際のところ、車の購入時にタイヤの銘柄を気にする方、殆んどいないでしょ?

 

 

アメリカでは、カタログ値と実燃費に乖離がありすぎると訴訟問題になりかねませんので、実情に沿った燃費計測(細かい説明はしませんが)がされ、シティ・ハイウェイ・複合の3モードの燃費が計測されます。 EPA燃費などと呼ばれ、前出のプリウスの燃費はシティで24.7km/L、ハイウェイで22.5km/Lとの事。

40.8km/Lってなんなの!?って思いますよね。

でも、実際のプリウスオーナーのレポートを見ていますと、25km/L位が多い様に感じますので、かなり実際の燃費に近いのだと思います。

 

 

欧米と違い、日本のユーザーは数値ばかりを追い、購入後の実際の性能や使い勝手に関しては、あまり気にしない傾向があります。 上記の様なことをメーカーが必死になって行う背景には、ユーザーがそれを求めるからといった流れがあるんです。

 

 

 

 

今回の三菱の不正は不正ですので、きちんと、公正に処罰されなければなりませんが、その原因を生んだ背景を作っているのが、ユーザーであることを忘れてはいけないと思います。

 

 

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